今回は、中野坂上にある『梅若能楽学院会館』にお邪魔してきました!
◆新しい街並みで出会う、今なお健在の「古典芸能文化」近年の再開発により駅周辺にはオフィス用超高層ビルや商用・居住用複合ビル、山手通り沿いにはマンションなどが建設されている
中野坂上。東京メトロ丸ノ内線と、都営地下鉄大江戸線が乗り入れ、接続駅となっていることもあり中野坂上駅構内を忙しく闊歩するビジネスマンの姿が多くみられます。
そんな現代的な印象のある中野坂上ですが、ビル群を少し歩いて行くと
『梅若能楽学院会館』という日本の伝統芸能
「能」を実践的に学べる学校を見つけることができます。
能楽堂の造りとしては珍しく、自然採光をとるため西側に天窓が造りつけてある。
時間の経過・或いは季節の移り変わりとともに舞台の印象が変わっていくのも面白い。◆勉強の場としての梅若能楽学院会館梅若能楽学院会館は昭和36年に開校。建築家大江宏氏が設計を手がけた内装は、コンクリートうちっぱなしの内壁に、大胆に配置された組み木細工を思わせる階段が印象的です。
梅若能楽学院では能を本格的に学びたいという方に広く門戸を開いており、入学は随時募集していて、学ぶ科は三つ。本科では
仕舞(しまい)の基礎が学べ、自由科では
謡(うたい)・仕舞のどちらか一方を専門的に学びます。別科では、本科修了者が無制限に学ぶことが出来、上級者向きと言えます。希望者には梅若能楽学院発表会という形で学んだ成果を発表する場が与えられ、本物の能舞台に立つことが出来ます。日本の古典芸能というと、一度ついた先生一人から学ぶという形が多いですが、梅若能楽学院は一般的な学校のように色々な先生から学ぶことが出来るという、珍しい形態を取っています。お稽古を始める際には道具の貸し出しもあり、学院の教授は「手軽に学んで貰って、能の見方がわかればもっと楽しく観能できると思う。」とおっしゃっていました。
◆変化していく能楽会館梅若能楽学院会館は明治大正時代には財閥の教養人のサロンとして、昭和の時代には主婦の方のたしなみ事として、よく利用されていたそうです。近年では
ミュージカルやクラシックバレエ、アイドル声優のライブなどでも利用されており、当代の
「形式に囚われず、多くの方が能文化に触れるきっかけとなって欲しい」という思いが、能楽学院会館を柔軟に変化させていっているのではないでしょうか。
◆公演情報梅若能楽学院会館では定期的に自主公演を行なっているのですが、お正月に特別な催しが行われるそうです!
【開催日程@】平成26年1月1日(水)
14:30開場 15:00開演
【演目】
謡初之式
【入場料】
無料
【開催場所】
梅若能楽学院会館
【開催日程A】
平成26年1月11日(土)
13:00開演
【演目】
「翁」
梅若長左衛門
土田英貴 他
「邯鄲」梅若玄祥
【入場料】有料 ※詳細は梅若会事務局にて
【開催場所】梅若能楽学院会館
謡初之式はその名の通り年始めに初めて謡を行うもので、どなたでも入場無料で観能して頂けます。また1月11日に行われる演目「翁」はお祝い事や能楽堂新設の際等に行われる特別な能となっているので、お正月には是非、観能にお出かけされてはいかがでしょうか!
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【所在地】
〒164-0003
東京都中野区東中野 2-6-14 梅若能楽学院会館【アクセス】
JR総武線・地下鉄大江戸線
東中野駅 徒歩8分
地下鉄大江戸線・丸の内線
中野坂上駅徒歩8分
詳細は
梅若能楽学院会館公式ブログまで
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