見上げてごらん夜の街灯を 中野の路地裏はこんなに輝いている

見上げてごらん夜の街灯を 中野の路地裏はこんなに輝いている

見上げてごらん夜の街灯を 中野の路地裏はこんなに輝いている

文:十六夜(いざよい)

2026.01.08

中野をこよなく愛する十六夜(いざよい)です。マニアックな視点で中野の隠れた魅力をお伝えしていきます。

今回は北口の中野サンモール商店街やブロードウェイ周辺(中野5丁目)の街灯(街路灯やネオン看板、赤ちょうちん)の魅力を紹介します。

中野駅周辺の魅力のひとつに「街の灯り(まちのあかり)」があります。「街の灯り」とは、夜間に街路や家々、店舗などに灯る光全般を指す言葉です。特に南口のレンガ坂はイルミネーションがきれいで、オレンジ色や暖色系の柔らかな光がレンガの壁に反射し、大人っぽい隠れ家的な雰囲気を醸し出しています。

今回紹介するは中野サンモール商店街やブロードウェイ周辺の灯りです。その魅力は、「昭和レトロ」な雰囲気と、多様な文化が混在する「カオス」な活気にあります。一般的な街灯のような均一的な明るさではなく、様々な光が織りなす独特の景観が特徴です。これらの光が一体となり、他では味わえないノスタルジックでディープな景観を生み出しています。

年末になると、ブルーを中心とした様々な色のイルミネーションも加わり、あらゆる「街の灯り」が一つのエリアに凝縮されます。

中野5丁目の昭和の香りと文化が共存する夜の小径を歩き、ふと見上げてみると実に様々な種類の街路灯があるのに驚かされます。

商店街の街路灯には、街の安全確保と賑わいの演出という二つの重要な役割に対する想いが込められています。商店街独自の街路灯は、単なる照明ではなく、街に個性や活気、華やかさを加えるための重要な要素です。中野駅北口の路地裏の商店街には、花や鳥が描かれたレトロな街灯が多く見られます。これらの街灯は、昭和の街並みを思わせるノスタルジックな雰囲気を演出しています。

このエリアの街灯は、風情ある景観を守るだけでなく、最新の技術で街の安全・安心も守っています。

中野区と商店街が連携して進める防犯対策の一環として、街灯を設置する電柱やポールには、防犯カメラが設置されている箇所があります。明るい照明と防犯カメラの存在は、犯罪の抑止力となり、夜間でも住民や訪街者が安心して通行できる環境づくりに貢献しています。昔ながらの雰囲気を大切にしながらも、現代的な安全対策を施すことで、このディープな路地裏の魅力と安全性を両立させているのです。

中野昭和新道商店街は、昭和レトロな雰囲気を色濃く残す、この街区を代表する存在です。気取らない大衆酒場や小さなバーが集まるこのエリアでは、店員や常連客との距離が近く、初めての人でもすぐに打ち解けやすい雰囲気があります。

市松模様のちょうちんや店舗の前に吊るされた赤ちょうちんの温かみのある光は、訪れる人々を懐かしい雰囲気へと誘います。通りを歩く人々は、赤ちょうちんの灯りと笑い声に誘われ、まるで時代を巻き戻したかのような感覚に包まれます。

中野仲見世商店街のノスタルジックな灯りに誘われて、通りに一歩入ると昭和にタイムスリップしたような不思議な気分を味わえます。

そこには、暖簾をくぐれば、知らない人とも自然に言葉を交わせる温かい空気が流れています。

中野ブロードウェイの入口に面した中野北口白線通り商店街は、昔ながらのディープな飲み屋街の雰囲気が強いエリアで、スナックや居酒屋などを中心に様々な飲食店が軒を連ねており、夕暮れ時から賑わいます。

中野ブロードウェイの商店街入り口付近に、なぜか兵士の人形が設置されています。中野ブロードウェイの象徴的なオブジェの一つで、「中野ブロードウェイ」の守り神やランドマークとして親しまれています。小径の雑多で魅力的な雰囲気に一役買っています。

「今日も街の安全のために、ありがとうございます。」

私のノスタルジックな街路灯の愛で方を紹介します。

①街路灯の柱やランプシェード、アーム部分の細部デザインと装飾を観察します。製造された当時の職人のこだわりや流行が見えてきます。

②灯りの色と質感を味わいます。光がどのように周囲の建物を照らし、影を作り出しているかを観察します。

③古い街路灯の柱に付いている銘板を探します。その街路灯の身元証明書のようなもので、様々な重要な情報が記載されています。

中野区の街路灯も老朽化で新しいものに変わりつつあります。区が商店街を支援する形で対応を進めています。古い街路灯は、昭和レトロな雰囲気を残しつつ、安全性と効率性を向上させるためにLED照明を備えた新しいものへと順次入れ替えが進んでいます。

ノスタルジックな街路灯は、街に深く根ざした文化遺産のようなものです。意識的にその存在に目を向け、愛でることで、いつもの風景がより豊かなものに感じられると思います。

中野5丁目の路地裏の魅力は、昭和レトロな雰囲気の中で、個性豊かな店や人々と出会える、居心地の良い飲み屋がたくさんあることだと思います。街路灯や店舗のネオン看板、赤ちょうちんなどの街の灯り(街灯)は、温かく通りを照らし、懐かしい下町情緒を感じさせます。架け巡らされた電線の下で、街灯に照らされた小さな居酒屋やスナック、立ち飲み屋などが軒を連ね、中野ならではの独特な景観を作り上げています。

中野駅北口から通りに一歩入るだけで昭和の香りが漂い、どこか懐かしい気持ちに包まれます。夜が更けるにつれて、街灯やイルミネーションでなぜか心がほぐれていきます。

昭和の香りと懐が深い中野文化を味わいに、中野の夜の小路を歩いてみませんか。

次回の記事では、中野のイルミネーションを紹介します。幻想的に撮影できる1960~70年代のスライドプロジェクターレンズで撮影した風景と改造方法を少し紹介いたします。

このコラムについて

ライター 十六夜(いざよい)

中野観光協会ライターの十六夜(いざよい)です。中野の街をこよなく愛し、カメラを手に路地裏を散歩するのを日課にしています。
再開発で景色が移ろいゆく今、昭和の温もりが残る街角や、ふとした瞬間の光が描く「街の素顔」を大切に切り撮っています。
見過ごしてしまいそうな小さな風景に宿る、この街ならではの優しい物語。中野の体温が伝わってくるような、心温まる魅力をお届けしていきます。

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