
中野で忍者 後編
忍道青龍窟道場 中野稽古会
現在、私は「忍道」というプログラムの師範を務め、JR中野駅から程近い、CMBトレーニングセンター〜護身空手木村塾 中野本部道場〜 の場所をお借りして、月に2回ほど土曜日を中心に教室を開催しています。
現在は約10名の生徒さんと一緒に忍道の稽古に励んでいます。
(こちら中野本部道場主の木村慈猿先生とは、忍道が始まる前からの長いご縁があり、忍者についても造詣が深く体験を提供されたり、武術教室をはじめ、ボードゲームでのコミュニティ作りなど中野地域でご活動されています。)
今回は私が師範を務めます「忍道」についてお話しさせていただきます。
忍道とは

忍道は江戸時代以前までに大成された、忍びの先人たちが残した忍術書に基づいて構築されたカリキュラムを練習して学んでいきます。
忍術の極意は「和」であり、その和を実現するために必要な忍耐の「忍」を身につけていきます。忍道の理念は、「忍」を以て「和」を成すこと。争いの絶えない現代にこそ、忍びの精神が必要なのです。
教室では、印を結んでの礼法に始まり、呼吸法や気合法、五感の鍛錬といった忍びにとって必要かつ基礎的な身体感覚を向上させる稽古から行います。それらがある程度できるようになったら、いわゆる忍び足と呼ばれる様々な歩法や動物の動きを参考にした移動法、刀を腰に帯びての下半身の鍛錬法など徐々に昔の忍びに近い技を学んでいきます。
今回は読者の皆様にも出来る稽古法をご紹介します。
息長(おきなが)
ゆっくりと呼吸を行う修行法で、呼吸をコントロールして、心身の安定をはかります。
やり方は簡単です。
「吸う」「止める」「吐く」
を順番に行うだけなのですが、それぞれを10秒ずつ行います。つまり、30秒かけて一呼吸を行う計算です。
10秒かけて吸い、10秒間止め、10秒かけて吐く。
を、繰り返します。
慣れてきたら額から顎先までの長さの短冊程度の薄紙をおでこに貼り、それが吐息でなびかないようにしながら息長を行います。
一回の呼吸を薄く引き延ばすように行うこの修行は呼吸音のコントロールや集中力を向上させます。
徐々に12秒ずつ、13秒ずつと時間を伸ばしてステップアップして、なるべく長い時間息長を行えるように稽古していきます。
これは忍者にとって重要な無息忍(気配や呼吸を消す)を目指すものです。

忍び足
忍びの歩き方には様々な方法があり、俗に忍び足といいます。なかでも基礎的な忍び足をご紹介します。
画像の様に、身を低くして両手を顔の前方に伸ばします。
そのまま足の甲を、もう一方の脚の膝裏に当てた状態で、ちょうど片足の空気椅子のような姿勢を維持します。


維持ができたら片足スクワットの要領で音が鳴らないように足を床にそっと下ろします。
これを交互に繰り返して進みます。
一度、足の甲を膝裏に当てて維持することで、重心が前に出過ぎることを防ぎ、常に軸足で身体を支えながら、どこでも自在に止まれるように動くことが重要です。
続いて、忍び足での後退です。
今度は腕を後方へと伸ばしながら、写真のように先程とは逆の手順で後退していきます。


前進も後退も腕を伸ばすのには理由があります。それは暗闇を想定しているため、手探りを大事としているのです。手が出ていれば、胴体が何かにぶつかって大きな音を出す前に気付くことができますし、枝などの突起物が目を突くことを防ぐ効果もあります。これらを目を閉じて行う場合もあります。
やってみると低い姿勢での体幹の維持はなかなかの鍛錬になります。
これらの稽古は、実用よりも、シチュエーショントレーニングとも言うべき、現場を想定した足腰の鍛錬と音を消す習慣を目指すものであったと考えます。こうした技術を忍術においては無足忍(足音を消す)といいます。
こうした練習は忍者を目指して行うからこそ、楽しく、継続できるものです。
無味乾燥な運動を努力でこなすというのはなかなか難しいですが、忍者になるための練習だと思ってやっていく内に、自然と呼吸や体幹が身に付いて、健康にも役立つものになると思います。
また忍者というと戦い、すなわち武術をご想像される方も多いと思いますが、忍道では武術については基本的に触れません。もちろん武術の教養は忍びにとって必要不可欠ではあるので、希望があればご指導しますが、そうした武術自体は忍術ではないので、カリキュラムには含みませんので、志ある方であれば、どなたでもご参加いただくことができます。

もし、この記事をお読みになって「忍道」にご関心の方は下記リンク先をご一読頂ければ幸いです。
また、忍道に限らず、何か忍者・忍術に関するご依頼・ご相談ありましたら、習志野青龍窟までご連絡下さい。
皆様と良きご縁がありますことを願っております。
ここまでお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
忍道ホームページ
https://nin-do.jp/about/

