中野が、中野に住む。——ビールと音楽と、この街の夜

中野が、中野に住む。——ビールと音楽と、この街の夜

中野が、中野に住む。——ビールと音楽と、この街の夜

文:ピエール中野

2026.07.10

中野が、中野に住む。——ビールと音楽と、この街の夜

凛として時雨のドラマーであり、中野区在住のアーティスト・ピエール中野さんに、連載コラムをご寄稿いただくことになりました。飲み歩きの達人でもあるピエール中野さんが案内する中野の顔をお楽しみください。

上京先は『中野区中野』

上京して初めて暮らした街が、中野区中野だった。

地元は埼玉県越谷市。事務所から「そろそろ上京した方がいいんじゃないか」と何度か言われていたのだけど、そのたびにやんわり断っていた。当時の自分には、東京で暮らすイメージがまったく湧いていなかったのだと思う。何より地元埼玉が住みやすくて、離れたくなかったのもある。魅力度ランキングでは最下位付近だったりもするけれど、住む街としては本当に理想的だと今でも強く思っている。

そんな自分が上京するきっかけになったのが、結婚だった。

最初は「別居婚の方がお互い自由で良いのでは?」なんて話もしていたのだけど、結局は一緒に住むことになった。地元の友人たちに「ついに東京へ行く」と伝えたときは、「お前もとうとう地元を捨てるんだな」と冗談混じりに言われたりもした。でも、「いや、上京先は中野区中野だよ?」と返したら、「中野が中野に住むのか!それならいいよ!」と笑ってくれたのを覚えている。

引っ越しといっても、最初は必要最低限の荷物を自分で運び込んだだけだった。期待よりも不安の方が大きかった気がする。でも、中野での生活にはすぐ慣れた。

老舗と新店、音楽と人情。中野の雑多さが心地いい

何より、この街は本当に良い店が多い。

自分は昔から、お酒と誰かと話すことが大好きで、飲食店を巡ることが生き甲斐と言ってもいい。チェーン店の安心感もあれば、ふらっと入った個人店で人生が変わるような夜に出会うこともある。中野には、その両方が自然に共存している。

長く愛されている老舗もあれば、気づけば新しい店も次々に生まれている。音楽、カルチャー、人情、雑多さ、居心地の良さ。その全部が混ざり合っているのが、中野という街の魅力なのだと思う。

そんな中野で、最初に紹介したいのがPERFECT BEER KITCHEN 中野店だ。

中野駅北口を出て右の方面へ、ふれあいロードをまっすぐ歩いていくと右手にある。(写真:中野区観光協会)

凛として時雨にも縁があると言っていい店で、この店舗のオーナーは、凛として時雨のライブ制作にも関わっている人物。スタッフにも音楽好きが多く、店に入ると、どこか慣れ親しんだ空気を感じる瞬間がある。

幅広くチェーン展開をしているお店で、PERFECT BEER KITCHEN代表のぬーまくんとも交流がある。実はお互い下の名前が“まさとし”で、さらに仕事仲間でもある福田”まさとし”さんも加わって、“まさとし会”なんてものまで存在している。かなり限定的な集まりだと思うし、そこに毎回いろんなゲストを呼んで飲むのだけど、この会だけでもかなりカオスなので、詳しくはまた別の機会に。

ぬーまくんは『令和の虎』にも出演していて、厳しい空気になりがちな番組の中で、出演者たちから次々と絶賛されていたのが印象的だった。それだけ、人としても、やっていることにも説得力がある。

そして何より、この店はビールへのこだわりが凄い。

ビールは銘柄だけではなく、サーバーメンテナンス、温度、ガス圧、注ぎ方で本当に味が変わる。PERFECT BEER KITCHENは、『最高の状態で提供する』という一点を徹底的に追求している店だ。

最高の状態で提供するビールは格別(写真:中野区観光協会)

ちなみに、中野には、南口のレンガ坂商店街に麦酒大学という名店もある。こちらはよりアカデミックに、ビールや注ぎ方について学べる場所で、もちろん味も素晴らしい。やついいちろうさんや、ゲッターズ飯田さんが飲みに来ることでも知られている。

レンガ坂商店街にある麦酒大学。この階段を登って2階へ(写真:麦酒大学提供)

PERFECT BEER KITCHEN中野店には音楽関係者も多いし、外国人のお客さんが楽しそうに飲んでいる姿もよく見かける。常連さんも多いのだけど、不思議と閉鎖感がなくて、初めてでも自然に迎え入れてくれる空気がある。

それって、中野の飲食店全体に共通している魅力かもしれない。

だから自分は、この街が好きになったんだと思う。飲み歩くようになって、友達も増えたし、行きつけの店もどんどん増えていった。

まだまだ紹介したい店が何軒もあるのに、もう文字数がいっぱいなのが不思議だ。まだ一軒目なのに、店の魅力も全然語り切れていない気がする。

でも、細かい情報は検索すればすぐ出てくる時代だし、気になったら、実際に自分の足で行ってみるのが一番良いし、早い。

ちなみに、自分が中野で飲むときは、3回に1回くらいの確率で最初に立ち寄っている店なので、かなり高確率で出没している。

中野で会ったら、一杯奢ります

このコラムを通じて、「中野区に行ってみたい」と思う人が少しでも増えたら嬉しい。

もし中野で会って、「このコラム読みました」と声をかけてくれたら、一杯奢ることにする。まじで中野をふらふら飲み歩いているので、気軽に話しかけてもらえたら嬉しい。

サインもありますよ(写真:中野区観光協会)

 

このコラムについて

ライター ピエール中野

バンド「凛として時雨」のドラマー。
著名ミュージシャンのレコーディング、ライブへの参加や、ドラムチューナー、テレビ出演、番組MC、フェスDJ、音楽監修、イベントプレゼンター、コラム連載など、ドラマーの枠を超えた幅広い活動を展開している。

イヤホン・ヘッドホン専門店e☆イヤホンの公式アンバサダーも務める。監修したイヤホン、ヘッドホンの数は二桁を超え、様々な賞を獲得し、イヤホン殿堂入りも果たしている。

関連リンク

引用元・参考文献・参考ページ

コラム内に登場するお店はコチラ

◆PERFECT BEER KITCHEN 中野店
〒164-0001 東京都中野区中野5丁目50−3 東興楼ビル 1F
Instagram:perfect_beer_kitchen_nakano

◆麦酒大学
〒164-0001 東京都中野区中野3丁目34−23 辻ビル
Instagram:beercollege